avalw news
佐藤 健介佐藤 健介VIEW PROFILE →

日本が国産人工知能の構築へ、大手企業連合ノエトラと新興企業サカナAIが躍進

tech2026-08-20 · 1 min read · 3 reads

日本政府はソフトバンクなど大手企業連合ノエトラを支援し、国産の人工知能基盤モデル構築を目指す。東京の新興企業サカナAIも国内の資金調達で首位に立った。

日本が人工知能の分野において、国産の技術基盤を確立しようとする動きを本格化させている。政府と国内の大手企業が互いに手を取り合い、海外への過度な依存を減らしながら独自のAI開発を推進していく姿勢が、近ごろますます鮮明になってきた。今回はその最新の取り組みについて詳しく見ていきたい。

国産AIを目指す政府の戦略

日本政府は2025年に発表したいわゆるAI基本計画の中で、国内で完結する人工知能の生態系を構築するという大きな目標を掲げている。そして2026年7月に改訂された新たな計画では、AXすなわちAIによる変革を、日本が勝利を収めるための極めて重要な道筋として明確に位置づけた。

この国家的な戦略を象徴する存在となっているのが、ノエトラと名付けられた大規模な企業連合である。この連合はソフトバンクが主導する形で結成され、実に44もの企業が参加しているとされている。国産の基盤モデルを共同で開発することを目指しており、日本の産業界の総力を結集した取り組みといえる。

幅広い産業からの参加

ノエトラに名を連ねている企業の顔ぶれは、非常に多彩なものとなっている。NECやホンダ、ソニーグループをはじめとして、トヨタ自動車や三菱重工業、日立製作所といった日本を代表する大企業が数多く参加している。さらに富士通やファナック、安川電機、川崎重工業なども加わり、幅広い分野を網羅している。

研究開発の面においても、極めて強力な体制が敷かれている。国内からは産業技術総合研究所や東京科学大学が参画するほか、海外の名門であるケンブリッジ大学やオックスフォード大学も協力するという。産業界と学術界が国境を越えて連携することで、質の高い研究成果が生まれることが期待されている状況だ。

巨額の投資と計算資源

日本は次世代GPUのルビンを2万7500基調達し、国産AIの開発を加速させている。(イメージ写真)
日本は次世代GPUのルビンを2万7500基調達し、国産AIの開発を加速させている。(イメージ写真)

この壮大な計画を支えるために、非常に巨額の投資が計画されている。日本政府は5年間で総額1兆円、米ドルにしておよそ62億ドルをノエトラに投じる方針を示している。単年度で見た場合、その投資額は3873億円、およそ24億ドルに達するとされており、この分野に対する国の本気度がうかがえる。

計算資源の確保という面においても、日本は大きな一歩を踏み出している。同計画では、次世代のGPUであるルビンを実に2万7500基も調達したのである。これは国家レベルの調達としては世界でも最大規模であり、AI開発に不可欠となる膨大な処理能力を一度に確保したことを意味している。

これらの設備が設置される場所についても、大きな注目が集まっている。中心となるデータセンターは、かつて電機大手のシャープが使用していた施設を有効に活用する形で、大阪府の堺市に整備される予定となっている。既存の産業インフラを賢く再利用する、日本らしい合理的な選択といえるだろう。

続々と生まれる基盤モデル

この一連の取り組みの中からは、すでに数多くの国産の基盤モデルが生まれつつある。例えば、ソフトバンク傘下のSBインテュイションズはサラシナと呼ばれるシリーズや大規模通信モデルを開発している。またNTTデータはつづみ2、そして東京科学大学はスワローというモデルを、それぞれ独自に手がけている。

新興企業サカナAIの躍進

大手連合の動きと並行して、新興企業の活躍もまた目覚ましいものがある。その代表格となっているのが、東京を拠点とする基盤モデルの開発企業であるサカナAIだ。同社は日本経済新聞などがまとめた2026年上半期のスタートアップ資金調達ランキングにおいて、見事に第一位を獲得してみせた。

サカナAIは2023年に設立された比較的新しい企業でありながら、その評価額はすでに26億ドルに達し、いわゆるユニコーン企業の仲間入りを果たしている。同社は生物の進化から着想を得た独自の開発手法で広く知られており、日本のAI業界における新星として、現在大きな注目を集めている存在である。

技術的な側面においても、同社は着実に成果を上げ続けている。2026年6月には、サカナ・フグと名付けられた、複数のAIを互いに連携させる新たなシステムを発表した。同社はこのモデルが特定の用途において、競合他社のモデルと比較して性能面で優位性を持っていると主張している点も興味深い。

世界の第三極を目指して

こうした日本の一連の動きについて、専門家からは前向きな評価の声が聞かれている。ある分析では、サカナAIが資金調達で首位に立ったことは、日本が基盤モデルの開発において米国や中国に次ぐ、意味のある第三の勢力として台頭しつつあることを示唆していると指摘されている。

総じて見てみると、日本は政府主導の大手企業連合と、意欲的な新興企業という両輪によって、人工知能の分野での存在感を大きく高めようとしている。国産技術への強いこだわりと巨額の投資を背景に、日本が世界のAI競争においてどのような役割を果たしていくのか、今後の展開が大いに注目される。

佐藤 健介
WRITTEN BY THE AUTHOR
佐藤 健介
2026-08-20 · 1 min read · 3 reads
View profile →
VERIFY THIS STORY
ASK AI
MORE FROM 佐藤 健介
Report this articlesupport@avalw.com