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ソフトバンク、OpenAIの技術で重要インフラを守る「Patching as a Service」を本格展開、対象は3000社

tech2026-08-19 · 1 min read · 136 reads

ソフトバンクはOpenAIのAI技術を活用したサイバーセキュリティサービス「Patching as a Service」を本格展開し、日本の重要インフラを支える最大3000社を対象に脆弱性の発見と修正を支援する。孫正義会長兼社長は、AIを悪用したサイバー攻撃の急増に強い警鐘を鳴らしている。

ソフトバンクは7月14日、OpenAIのAI技術を活用したサイバーセキュリティサービス「Patching as a Service」の本格提供を開始した。対象を日本国内の最大3000社へと拡大し、空港や電力、交通といった重要インフラを支える企業のシステムを、ソフトウェアの脆弱性から守ることを狙いとしている。

このサービスは、OpenAIの技術を提供する合弁会社SB OAI Japanを通じて展開される。具体的には、ソースコードの脆弱性診断や外部システムへの攻撃シミュレーション、優先度を付けた診断レポートの作成、そしてパッチの生成と検証までを、AIの力を借りて一連の流れで支援する仕組みだ。

重要なのは、AIがすべてを自動で処理するわけではない点である。OpenAIのモデルが脆弱性を洗い出して修正案を提示する一方、優先順位付けや実際の適用は人間のセキュリティ担当者が担う。つまり自動でパッチを当てるのではなく、専門家の判断を支援する助言型のツールとして設計されている。

なぜ今なのか

背景には、AIによって高度化するサイバー攻撃への強い危機感がある。ソフトバンクの孫正義会長兼社長は、AIを悪用したサイバー攻撃がこれから急速に一般化すると警告し、最先端のAIを用いてそれに立ち向かう決意を示した。守る側もAIで武装しなければ対抗できないという考えだ。

孫氏はその脅威の大きさを、わかりやすい比喩で表現している。従来型のサイバー攻撃がライフルの一発だとすれば、AIを悪用した攻撃は機関銃のようなものだというのだ。攻撃の速度と規模が桁違いに増していく中で、防御側の発想の転換が迫られていることを示す言葉といえる。

実際、ソフトバンクが商用化前に行った社内での診断では、深刻な実態が浮かび上がった。1000万行のコードあたり、平均でおよそ280件の潜在的な脆弱性が見つかり、そのうち25パーセントが高リスクに分類されたという。多くの企業システムに、見過ごされたリスクが潜んでいることを物語る数字だ。

1000人体制で守る

AIを悪用した攻撃の高度化に対抗するため、OpenAIのモデルがソースコードの脆弱性を洗い出す。(イメージ写真)
AIを悪用した攻撃の高度化に対抗するため、OpenAIのモデルがソースコードの脆弱性を洗い出す。(イメージ写真)

本格展開にあわせて、ソフトバンクは7月16日に「エンタープライズAIサイバー防衛オフィス」を新設した。ここに最終的に約1000人規模の人員を投入する計画で、当初は少人数の体制から段階的に増強していく。AIと専門人材を組み合わせ、大規模な防御体制を築こうとしている。

この取り組みは、ソフトバンクとOpenAIの関係が深まる流れの中に位置づけられる。両社が設立した合弁会社SB OAI Japanは、OpenAIの技術を日本企業向けに橋渡しする役割を担っており、今回のサービスはその成果を具体的な形で示す一例となっている。

さらにソフトバンクは、セキュリティにとどまらないサービスも計画している。老朽化したシステムの改修や、プログラミング言語の刷新、レガシー環境からクラウドへの移行を支援する近代化サービスだ。AIを、単なる効率化の道具ではなく、企業のIT基盤を丸ごと作り替える手段として位置づけようとしている。

何を意味するのか

今回の展開は、最先端のAIモデルを国家的な重要インフラの防衛に大規模に応用する、日本でも先駆けとなる事例といえる。これまで文章生成や業務効率化の分野で注目されてきたOpenAIのモデルが、社会の基盤そのものを守る盾としての新たな役割を担い始めたことを意味しており、AI活用の裾野が一段と広がったことを示している。

見方を変えれば、これは攻撃と防御の双方でAIが使われる、いわばAI対AIの軍拡競争でもある。攻撃者が高度なAIを手にする以上、防御側も同等以上のAIで対抗するほかない。ソフトバンクは、最も強力なAIをいち早く取り込むことで日本を守れると賭けている格好だ。

今後は3000社への展開がどこまで進み、どれだけの効果を上げるかが焦点となる。AIによるパッチ支援というこの手法が、日本国内にとどまらず広がっていくのかも注目される。なお、料金体系については現時点で公表されておらず、実際の導入コストは今後の論点となりそうだ。

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